sklearn.clusterは、Scikit-learnライブラリの中でクラスタリング(Clustering)アルゴリズムが実装されているモジュールです。クラスタリングは、データセット内の観測値を類似性に基づいてグループ分けする手法です。それぞれのグループはクラスタと呼ばれ、同じクラスタ内のデータポイントは互いに類似していると見なされます。
〇アルゴリズムの種類
以下は、sklearn.clusterモジュールで提供されている主なクラスタリングアルゴリズムのいくつかです:
K-Means クラスタリング
(KMeans):
データをK個のクラスタに分割する手法で、各クラスタの中心(平均)を用いてデータをグループ化します。
階層的クラスタリング (AgglomerativeClustering):
階層的なクラスタ構造を構築し、任意の数のクラスタを形成します。デンドログラムを用いてクラスタの階層構造を可視化することができます。
DBSCAN (DBSCAN):
Density-Based Spatial Clustering of
Applications with Noise(DBSCAN)は、高密度領域をクラスタとして見なし、低密度領域を外れ値として扱う手法です。
Mean Shift (MeanShift):
データポイントの密度が最大化するようにクラスタの中心を移動させ、クラスタリングを行います。
Birch (Birch):
Balanced Iterative Reducing and Clustering
using Hierarchies(BIRCH)は、メモリ効率の高い階層的クラスタリングアルゴリズムです。
これらのアルゴリズムは、異なるクラスタリングの要件や特性に対応しています。適切なアルゴリズムの選択は、データの性質やクラスタリングの目的によって異なります。
〇K-Means クラスタリングを詳しく
K-Means(ケイミーンズ)クラスタリングは、データポイントをグループに分類するための非階層的なクラスタリングアルゴリズムの一種です。この手法は、与えられたデータセットをK個の異なるクラスタ(グループ)に分割することを目的としています。各クラスタは、その中のデータポイントが他のクラスタよりも類似していると考えられるように形成されます。
アルゴリズムの基本的な手順は以下の通りです:
初期化: データセットからK個の初期クラスタ中心をランダムに選択します。これらのクラスタ中心は、データポイントの特徴空間内の位置を表します。
割り当て: 各データポイントを、最も近いクラスタ中心に割り当てます。これにより、各データポイントは所属するクラスタが定まります。
更新: 各クラスタに属するデータポイントを使用して、新しいクラスタ中心を計算します。これにより、クラスタの位置が再計算されます。
繰り返し: 割り当てと更新のステップを繰り返し、クラスタ中心が収束するか、あるいは指定された回数または収束条件が満たされるまで続けます。
収束: アルゴリズムが収束したら、各データポイントは最終的なクラスタに所属します。
K-Meansクラスタリングの特徴は、計算効率が高く、理解しやすいことです。ただし、クラスタ数Kを事前に指定する必要があり、初期クラスタ中心の選び方によって結果が影響されることがあります。また、円状のクラスタに対しては性能が低い傾向があります。
〇K-Means クラスタリングの実装
# 必要なライブラリのインポート
from sklearn.cluster import KMeans
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
# サンプルデータの生成
np.random.seed(42)
X = np.random.rand(100, 2) # 2次元のデータを生成
# K-Meansクラスタリングの実行
kmeans = KMeans(n_clusters=3,
random_state=42)
kmeans.fit(X)
# クラスタ中心とクラスタへの所属を取得
centers = kmeans.cluster_centers_
labels = kmeans.labels_
# 結果の可視化
plt.scatter(X[:, 0], X[:, 1], c=labels,
cmap='viridis', edgecolors='k')
plt.scatter(centers[:, 0], centers[:, 1],
c='red', marker='X', s=200, label='Cluster Centers')
plt.title('K-Means Clustering')
plt.xlabel('Feature 1')
plt.ylabel('Feature 2')
plt.legend()
plt.show()
この例では、2次元のランダムなデータセットを生成し、K-Meansクラスタリングを実行しています。n_clustersパラメータはクラスタ数Kを指定します。可視化のためにmatplotlibを使用しています。クラスタ中心は赤い"X"で示され、データポイントは異なる色でクラスタごとに表示されます。
このコードを実行すると、K-Meansクラスタリングの結果が可視化されます。データセットやクラスタ数を変更して、異なるシナリオで試してみることができます。
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