この記事では水質有害物質特論を勉強する上でのここだけは覚えておきましょうというポイントを紹介します。
水質有害物質特論は覚えることがたくさんありますが、意外と併用できる知識が多いので、
一語一句きちんと覚えようとすると大変ですが、
大まかなイメージをつかむだけでも、そこそこ正解できます。
ではいきます。
●カドミウム・鉛
カドウミウム・鉛は錯体を生成するもの、しないものは覚えましょう。
錯体を生成するもの
アンモニウムイオン、シアン化物イオン、塩化物イオン、クエン酸、酒石酸、EDTA
錯体を生成しないもの
炭酸塩、硫化塩
処理の方法は
水酸化物沈殿法
置換法
硫化物沈殿法
フェライト磁気分離法
鉄粉法
この中で、水酸化物沈殿法と置換法は有害物質を除去する上での基本的方法なので、覚えましょう。
特に、フェライト磁気分離法は、問題を作る側からしたら、出しやすいので覚えておきましょう。
フェライト磁気分離法では、
条件は
酸性?アルカリ?
酸化?還元?
モル比は1?2?
汚泥発生量は多い?少ない?
などは答えられるようにしておきましょう。
ちなみに、条件は水酸化ナトリウムでアルカリにし、加熱して空気酸化させます。
モル比は1で汚泥発生量は多くなります。
●クロムⅥ
クロムⅥは酸性でもアルカリ性でも陰イオンとして溶けています。
そのため、除去するときには、クロムⅢに還元することが基本となります。
還元剤の亜硫酸水素ナトリウムを使って、pH2~2.5の酸性条件で還元させます。
これは必ず覚えておきましょう。
クロムⅥのまま除去したい場合は
電気分解
イオン交換法があります。
電気分解では、水素イオンが消費され、どんどんとアルカリ側になっていくので、酸を添加すると反応が進みやすくなります。
クロムは両性水酸化物なのでpHが9以上になると再溶解します。
意外と知って置いた方がいいのが、バリウムやクロムと結合さえることでも難溶性の塩を生じることです。
実は鉄よりも沈殿効果は高いです。
しかし、バリウムやクロム自体が有害物質ということもあり、あまり使用されません。
過去問では、鉄とバリウムではクロムの方が沈殿効果において効果的という問題がでています。
●水銀
水銀は多くの重金属とくっつきアマルガムという合金をつくります。
ですが、鉄、ニッケル、コバルトとはアマルガムを作りません。
よく、アマルガムを作らない金属はどれだ?的な問題がでるので、
鉄、ニッケル、コバルトとはアマルガム作らないことは覚えておきましょう。
処理法は
硫化物凝集沈殿法
キレート樹脂
活性炭吸着法ですが、
特にキレート樹脂については覚えておいた方がいいです。
チオール、チオ尿素形のキレート樹脂を使います。
キレート樹脂の種類を問う問題はよく出題されます。
有機水銀はpH1以下の強酸性下で塩素により酸化分解します。
アルカリで加水分解ではありません。
ここも要注意です。
●ひ素
ひ素はひ素Ⅲよりひ素Ⅴの方が共沈処理は楽です。
これは必ず覚えておきましょう。
入れ替え問題がよく出ます。
ひ素は共沈処理するのですが、
鉄Ⅲ pH4~5
過剰の鉄Ⅲ pH3~7
炭酸カルシウム pH10.5
とpHを問う問題がよく出るので、覚えておく必要があります。
ひ素は空気酸化のみではひ素Ⅲをひ素Ⅴにはできません。
●シアン
シアンの処理法としてはアルカリ塩素法は間違いなく覚えておきましょう。
アルカリ塩素法は2段階でシアンを分解します。
1段目はpH10以上
2段目はpH7~8
1段目をアルカリ分解を行うのは塩化シアンの生成を抑えるためです。
2段目は反応を速めるために硫酸を足して中性(やや弱酸性)で行います。
この反応は、図でa~cに何が入るかといった問題でもでます。
紺青法と合わせて問われる時も多いです。
最初は水酸化ナトリウムと塩素酸ナトリウム
次は硫酸と塩素酸ナトリウム
最後に2価の水酸化鉄
と覚えておきましょう。
●アンモニア
アンモニアの処理はアンモニアストリッピング法は覚えておきましょう。
pHをアルカリにして曝気、アンモニアガスに変えて大気中に揮発させる方法です。
問題では、アルカリではなく酸性となっていたり、温度を上げることでより揮発しやすくするのですが、温度を下げるとなっていたりします。
イオン交換法としては、アンモニアは陽イオン、硝酸、亜硝酸は陰イオンです。
アンモニア、硝酸も陽イオンとした問題がでることがあります。
●有機りん
有機りんに硝酸は厳禁です。
パラチオンなどは濃硝酸と反応して、より毒性が高くなってしまいます。
有機りんは水に溶けにくいので、凝集沈殿処理を行うか、アルカリで加水分解を行います。
注意すべきところは、酸性での酸化分解ではありません。
●PCB
PCBは塩素系の化合物なので、曝気しやすそうですが、実は、蒸発温度がめっちゃ高いです。
大体330℃~400℃程です。
なので、曝気処理はできません。
なので、凝集沈殿か活性炭吸着が処理としてはいいです。
曝気については、よく出やすいので覚えておきましょう。
●有機塩素化合物
有機塩素化合物は活性炭吸着法。
活性炭で処理できるのは覚えておきましょう。
あとは生物処理です。
バイオオーグメンテーション 菌を培養
バイオスティミュレーション 栄養剤
あべこべで出題されることが多いです。
あと、嫌気性、好気性での分解の違いもチェックしておきましょう。
●ふっ素
ふっ素はイオンになりやすいです。
そして、ガラスを溶かします。
なので、ガラスで保存してはだめです。
カルシウム塩やアルミニウム塩で、水酸化物を生成するのが処理としては一般的ですが、
アルミニウム塩は高いし、汚泥がたくさんでます。
なので、最初に水酸化カルシウムである程度除去して、最後に残ったものをアルミニウム塩で除去します。
この、カルシウムのあと、アルミニウムという順番は覚えておきましょう。
アルミニウム塩の方が高い。
覚えておきましょう。
●ほう素
ほう素は硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムです。
この二つの合わせ技でしか処理できません。
カルシウムとアルミニウムと言えば、先ほどのふっ素ですが、
こちらは、併用です。
併用しないと効果がでません。
あと、ほう素のイオン交換樹脂はN-メチルグルカミン形イオン交換樹脂です。
チオ尿素と変更されて出題されることがよくあります。
●まとめ
この記事では水質有害物質特論を勉強する上でのここだけは覚えておきましょうというポイントを紹介しました。
水質有害物質特論は覚えることがたくさんありますが、意外と併用できる知識が多いです。
基本的に、重金属類はアルカリ性にして、沈殿処理。
結合しているものは酸で酸化分解、
毒性が高いものはアルカリで加水分解。
鉄を使った反応は汚泥の発生量が著しい。
など、覚えておくと、全体的に共通して言えることも多いので、そこは抑えておきましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿