公害防止管理者の水質有害物質特論は非常に覚えることが多く、それに、覚えずらい内容となっています。
しかし、内容を見てみると、難しいのは処理技術と測定技術のうち、“測定技術”の方が難しいです。
試験の出題割合をみると、処理技術から多く出題されており、測定技術は10問中5問程です。
なので、処理技術の分野をキチンとマスターしておくと、仮に測定技術の分野が全然ダメであっても、合格が見えてきます。
そこで、今回はアンモニア~有機塩素化合物までの処理技術の要点をまとめました。
では行きます。
●アンモニア・亜硝酸・硝酸
△性質のポイント
アンモニア、亜硝酸、硝酸はイオン化しやすいです。
このイオン化しやすいというのがポイントで、
イオン化しているので水には溶けています。
なので、活性炭吸着は望めませんし、凝集沈殿もあまり得意ではないです。
処理方法もイオン〇〇といった処理があっていると考えてOKです。
出題の傾向としては、処理方法の中に活性炭吸着があったり、凝集沈殿法がある正誤問題が出題されやすいです。
△処理方法
処理方法としては
・生物処理
・アンモニアストリッピング法
pHを高くしてアンモニアガスにし、大気中に揮発させる方法です。
・不連続点塩素処理法
・イオン交換法
アンモニアは陽イオン、硝酸は陰イオンです。
・触媒分解法
△出題の傾向
傾向として、
アンモニアの処理方法の詳しい内容はどちらかというと“汚水処理特論”の範囲です。
汚水処理特論では生物処理やアンモニアストリッピング法、不連続点塩素処理法の詳しい内容を問う問題がよく出題されていますが、
有害物質特論ではあまり突っ込んだ内容までは出題されることはありません。
・アンモニアストリッピング法のpHを酸性とした場合の問題
・アンモニア・硝酸も陽イオンとした内容の問題
などが出題される場合が多いです。
●有機りん
△性質のポイント
有機りんのパラチオには濃硝酸で分解しようとすると毒性の強いパラオクソンが生成されます。
なので基本的にアルカリで加水分解させます。
有機りんの各々の物質名を覚えるより、
有機りん
・生物処理は困難
・酸で分解すると毒性が高まる
・アルカリで分解
・凝集性がある
特性を覚えておきましょう。
△処理方法
処理方法としては
・凝集沈殿
・活性炭吸着
の二つを覚えておきましょう。
△出題の傾向
有機りんは基本的に難溶性で、イオン化しません。
処理方法としては凝集沈殿か活性炭吸着が正解ですので、
・有機りんをイオン交換樹脂で処理できるとした正誤問題
・酸で分解するとした正誤問題
・活性炭吸着はできないとした正誤問題
などが出題されます。
●PCB
△性質のポイント
PCBは水に難溶の物質です。
名前的にイオン化しそうな響きなので、ついついpHを調整して処理できそうなのですが、出来ません。
また、非常に安定的な物質なので、蒸発温度が325℃~420℃と高いため、曝気処理も出来ません。
△処理方法
PCBの処理方法としては
・活性炭処理
・凝集沈殿法
・生物処理
です。
△出題の傾向
・PCBはイオン交換法で除去できる
・曝気処理ができる
とした正誤問題がだされます。
あくまで、PCBは難溶で、蒸発温度が高い事を覚えておくと、すぐに間違えている問題に気づくことができます。
●有機塩素化合物
△性質のポイント
水には難溶で、揮発性が大きいです。
この二つの性質から、
イオン化〇〇の処理は出来ない。
という事が分かります。
△処理方法
・活性炭吸着法
・酸化分解法
・揮散法
・生物処理
バイオオーグメンテーションが分解菌を培養
バイオスティミュレーションが栄養剤で活性化
△出題の傾向
・イオン化処理ができるといった正誤問題
・バイオオーグメンテーションとバイオスティミュレーションを入れ替えた問題
・処理方法で適切なものを問う問題
等が出題されます。
● まとめ
難溶性の物質は基本的に、活性炭吸着、凝集処理が有効です。
水にとけない=イオン化しない
と考えてOKです。
アンモニアや硝酸などは水に溶け、イオン化しますが凝集処理を適していません。
アンモニアに関しては
・アンモニアストリッピング法
・不連続点塩素処理法
といった、特融の処理方法があるからです。
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