公害防止管理者の水質有害物質特論における、処理技術について要点をまとめました。
今回はベンゼン~ほう素までの処理技術についてです。
では行きます。
●ベンゼン
△性質のポイント
水には不溶で、揮発性が高いです。
△処理方法
処理方法としては
・生物処理
・揮散法
△出題の傾向
傾向として、
・生物処理は出来ないとした正誤問題
・活性炭吸着の吸着量が多いとした正誤問題
・揮散法の際、排ガス処理は必要ないとした正誤問題
などがよく出題されます。
●1,4ジオキサン
△性質のポイント
親水性、有機溶剤にも溶けやすいです。
△処理方法
処理方法としては
・生物処理
・酸分解法
・生物活性炭法
です。
親水性が高いので、凝集沈殿や通常の活性炭での処理はできません。
△出題の傾向
・凝集沈殿ができるとした正誤問題
・水には親和性が高いが、有機溶剤には溶けないとした正誤問題
が出題されます。
●セレン
△性質のポイント
セレンの特性として、
・セレンⅣは活性アルミナや共沈処理可能
・セレンⅥは共沈処理できません。
△処理方法
処理方法としては
・水酸化鉄による共沈法
・活性アルミナ吸着法
注意しなくてはいけないのが活性炭では処理できない点とアルミニウム塩では共沈効果は期待できない点です。
△出題の傾向
・共沈効果は強アルカリで効果を発揮するとした正誤問題
・セレンⅥとセレンⅣの内容を入れ替えた正誤問題
あくまで、セレンを処理できるのはセレンⅣです。
セレンⅥはイオン交換法でのみ処理できます。
●ふッ素
△性質のポイント
ふっ素はイオン化しやすく、カルシウムやアルミニウムと反応して沈降分離します。
△処理方法
水酸化カルシウムで処理した後に、水酸化アルミニウムを加えて処理します。
水酸化マグネシウムを使うこともできます。
使用する際は
水酸化カルシウム、アルミニウムはpH6~8
水酸化マグネシウムpH10~11
となっている点には注意しましょう。
また、水酸化カルシウムだけでは低濃度までは処理することは難しいです。
かといって、高価なアルミニウムを使うと大量の汚泥が発生してしまうので経済的ではないです。
△出題の傾向
水酸化カルシウム、アルミニウム、マグネシウムのpHについての問題
処理の順番を問う問題
(水酸化カルシウム→水酸化アルミニウムの順)
等が出題されます。
●ほう素
△性質のポイント
ほう素の性質としてはイオン化しにくいことは覚えておくといいです。
イオン化しにくいという事は、のちに分析方法を問われた時に、イオン〇〇での処理は無いという事を推測することができます。
△処理方法
・硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムの併用
・pHは9以上のアルカリ
・N-メチルグルカミン形イオン交換樹脂
硫酸アルミニウムを硫酸バンドと表現する場合があります。
ほう素の処理方法は以上の2点です。
この2点は覚えておきましょう。
△出題の傾向
・硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムではなく、重金属とした正誤問題
・N―メチルグルカミン形イオン交換樹脂ではない問題
・pHを酸性とした問題
がよく出題されます。
● まとめ
処理技術の範囲としてはカドミウム~ほう素までで以上です。
公害防止管理者の水質有害物質特論は全15問で9問(60%)を正解すると合格となります。
なので全問正解する必要はありません。
処理分野が10問程例年出題されているので、そこで7問正解し、分析分野で2問正解すれば合格することができます。
なので、合格、不合格のカギは処理技術分野にかかっているといっても過言ではないです。
覚えることはたくさんありますが、必要な部分のみをまず覚えて、時間があれば、追加で覚えていけば、問題ないです。
一気に覚えようとせずに、ちょこちょこと、回数を重ねて覚えていくといいです。
継続は力なりです。
頑張ってください。
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