前回は「カドミウム・鉛排水の処理」を勉強しました!
今回は「クロムⅥ排水の処理」について勉強していきます。
【クロムの化学的性質】
化学的性質で覚えておくべきポイントをピックアップすると以下になります。
特に、以下の点は必ず覚えておきましょう。
クロムⅥは水酸化物にならない(沈殿分離できない)
クロムⅢは水酸化物になる(沈殿分離することができる)
【クロムの処理方法】
クロムの処理方法には以下のようなものがあります。
①還元中和法
還元中和法は還元剤を加えてクロムⅥをクロムⅢに還元して、その後アルカリ剤を添加し、難溶性の水酸化クロムとして沈殿分離する方法である。
Ⅰ還元操作のポイント
Ⅱアルカリ剤を添加(水酸化物の生成)のポイント
アルカリ剤を添加するときには以下の点を注意しましょう。
アルカリ剤に水酸化カルシウム(消石灰)を使用すると、硫酸カルシウムも沈殿し、鉄塩や鉄粉を用いた処理の場合も水酸化鉄が生成するので、汚泥量が増加する。
②電気分解による還元処理
クロムⅥは電気分解によっても還元することができます。
ポイントとしては、
③イオン交換法
クロムⅥは、酸性でもアルカリ性でも陰イオンとして水中に存在しているため、「強塩基性陰イオン交換樹脂」を使用して吸着除去することができる。
まとめ 水質有害物質特論「クロム(Ⅵ)排水の処理」の勉強
クロムに関しては以下のことを覚えておきましょう。
[クロムⅥ]について
・クロムⅥは安定な陰イオンとして溶解している。
・クロムⅥはpHを高くしても水酸化物にはならない。
・クロムⅥはpH2~2.5で強力な酸化剤として働く
(還元されてクロムⅢとなる)
・クロムⅥを除去するときはイオン交換法を用いる
[クロムⅢ]について
・クロムⅢはpHは7.5~8.5で水酸化物となる。
・pHが9以上になると錯イオンとして再溶解する。
・クロムを除去したい場合はまず還元中和法でクロムⅥを還元しクロムⅢとして、その後アルカリ剤を添加して水酸化物になったものに高分子凝集剤を加えて分離させる。
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