前回は「水銀排水の処理」について解説しました!
今回は「ひ素排水の処理」について勉強していきます。
【ひ素の化学的性質】
化学的性質で覚えておくべきポイントをピックアップすると以下になります。
【ひ素の処理方法】
ひ素の処理方法には以下のようなものがあります。
Ⅰ 共沈分離
ひ素は、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムなどと難溶性の塩を形成する。そのため、ひ素含有排水に鉄塩やカルシウム塩を添加して沈殿分離させる。
ひ素は水中では陰イオンとして存在していて、pHをアルカリにしても水酸化物を形成しないが、鉄Ⅲ塩を添加すると水酸化鉄Ⅲと一緒にひ素も共沈現象によって沈殿分離させることができる。
鉄塩Ⅲ添加のポイントは以下になります。
鉄塩Ⅲではなく、カルシウム塩を添加する場合は
となります。
Ⅱ 硫化物沈殿法
硫化物を添加して難溶性の硫化ひ素として沈殿分離させる方法もありますが、発生する硫化水素の対策が必要であるため、実用例は少ないです。
硫化物沈殿法のポイントとしては
Ⅲ キレート樹脂
ひ素を選択的に吸着するN―メチルグルカミン酸系のキレート樹脂が市販されている。
Ⅳ その他
活性炭や活性アルミナなどは吸着性が低く実用化されていない。
まとめ 水質有害物質特論「水銀排水の処理」の勉強
今回は、ひ素排水の処理についての勉強を行いましたが、ポイントをまとめると以下になります。
・ひ素は両性化合物なのでアルカリにしても水酸化物を生成しません。
・処理法としては鉄Ⅲ塩を添加する、共沈分離が一般的。
・その時のpHは4~5ですが、鉄塩を過剰に添加することでpH4~7に範囲を広げることができる。
・アルミニウム塩は鉄塩と比べて効果が薄い。
・カルシウム塩を添加するときはpH10.5以上の強アルカリとする。
・硫化物を添加する硫化物沈殿法ではpHを2の酸性で行う。
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