今回は「ガスクロマトグラフィーといった機器分析の方法」について勉強していきます。
Contents[非表示]
【クロマトグラフの原理と種類】
試料中の成分が固定相を移動するときに、固定相に対する親和性の違いにより移動速度に差が生じ、試料中の成分が分離されます。
この現象を利用した成分分離法がクロマトグラフ法といいます。
クロマトグラフ法には以下のものがあります。
【ガスクロマトグラフ法の原理】
気体試料などをキャリヤーガスによってカラム(分離管)内を通過させます。
試料中の成分は、カラム内の充填物に対する吸着性や溶解度の差により、カラム内を移動する速度に差が生じて分離されるので、カラム出口についている検出器で定量分析します。
【ガスクロマトグラフの検出器の種類】
ガスクロマトグラフに使われる検出器の種類について説明します。
検出器の種類は試験にもよく出るので確認しておきましょう。
熱伝導検出器(TCD)
英語で「Thermal
Conductivity Detector」といい、略称としてTCDと呼びます。
金属フィラメントを内蔵した検出器にキャリーガス以外の気体が流入すると、熱伝導率が変化します。その結果、電流を流したフィラメントの温度が変化し、電気抵抗が変わります。
これをホイーストンブリッジ回路で検出します。
特徴としてキャリーガスはヘリウムや水素が使用され、多くのガス状物質の検出ができますが、感度は低いです。
水素炎イオン化検出器(FID)
英語で「Flame
Ionization Detector」といい、略称としてFIDと呼びます。
電極間に直流電圧を加えておくが、キャリーガスと水素の混合ガスの燃焼時には電流はほとんど流れない。そこに、有機物が入るとイオンが生成されて電流が流れます。
この時の電流値を測定して有機物を検出します。
特徴として、有機物には高感度ですが、無機物は検出できません。
電子捕獲検出器(ECD)
英語で「Electron
Capture Detector」といい、略称としてECDと呼びます。
キャリーガスをイオン化すると、電極間にイオン電流が流れます。そこに有機ハロゲンやニトロ化合物が含まれていると、検出器内の電子が捕獲されてイオン電流が減少します。
この検出器はハロゲンに対して高感度を示し、アルキル水銀や有機塩素化合物の分析に用いられます。
炎光光度検出器(FPD)
英語で「Flame Photometric
Detector」といい、略称としてFPDと呼びます。
この検出器は、酸素・水素フレーム中で物質が燃焼するときの発光を検出する方式です。
硫黄やリン化合物に対し高感度を示します。
熱イオン化検出器(TID,FTD)
英語で「Thermal
Ionization Detector」といい、略称としてTIDと呼びます。
この検出器は、水素フレーム中にアルカリ金属塩を入れるとアルカリ金属イオンが生成するが、この時に有機りん化合物や有機窒素化合物が入ると熱イオンが増加します。
この原理を利用して検出します。
検出器まとめ
ここで検出器と検出物質についてまとめておくと以下になります。
【ガスクロマトグラフ質量分析法】
ガスクロマトグラフに質量分析計を結合させた装置です。ガスクロマトグラフで得られる情報に、質量分析計で得られる情報が加わるため、より正確な分析が可能です。
使用される質量分析計は
に分けられます。
【高速液体クロマトグラフ法】
ポンプで送られている移動層に注入された試料が、カラム内の充填剤を通過する間に分離され、これをカラム出口に接続した検出器で成分を定量します。
充填剤にはシリカゲル、アルミナ、ポリスチレンなどが用いられ、検出器としては、吸光光度検出器、蛍光検出器質量分析計などが用いられます。
【イオンクロマトグラフ法】
固定相であるイオン交換体に対する吸着力の差により試料中のイオンを分離します。
分離カラムにはダブルカラム方式とシングルカラム方式があります。
【薄層クロマトグラフ法】
ガラスやプラスチックなどの平板に、薄く均一に塗布したシリカゲルやアルミナ上に試料と標準物質をスポットし、密閉容器内でプレートの下端を適当な溶媒に浸す。溶媒の上昇に伴って固定相に対する親和力の違いにより成分の種類ごとに上昇速度に差が出ます。
まとめ
クロマトグラフ法にはガスクロマトグラフ、高速液体クロマトグラフ、イオンクロマトグラフ、薄層クロマトグラフがあります。
また、ガスクロマトグラフの検出器は試験によく出やすいので特性を理解しておきましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿