この記事では、水質関係公害防止管理者の水質有害物質特論に合格することを目標として、各科目の勉強をしていきます。
前回は「ベンゼン・ジオキサン排水の処理」を解説しました!
今回は「ふっ素・ほう素・重金排水の処理」について勉強していきます。
【ふっ素排水の化学的性質】
ふっ素は、ハロゲン元素のひとつで、常温で、特異なにおいと強い腐食性をもつ気体です。
フッ化水素は無機、有機フッ素化合物の製造に用いられ、皮膚に触れると激しい痛みを伴い、多くの金属を溶かし、ガラスを腐食する。
無機ふっ素化合物はアルミニウムの電解製錬、ステンレス鋼等の酸洗、ガラス製品の加工、シリコンなどの電気部品の洗浄などに使用されています。
【ふっ素排水の処理方法】
フッ素排水の処理には
・沈殿分離(カルシウム塩)
・水酸化物共沈法(アルミニウム・マグネシウム塩)
があります。
一つずつ見ていきましょう。
沈殿分離
沈殿分離はカルシウム塩を添加して難溶性のフッ化カルシウムを生成させ、これを沈殿分離する方法です。
フッ素排水に消石灰(水酸化カルシウム)を添加し、硫酸でPhを調整し(pH6~8)にし、沈殿分離を行います。
水酸化物共沈法
フッ素排水はアルミニウム塩やマグネシウム塩を加える水酸化物共沈法で処理することができます。pH6~7程度にし、水酸化アルミニウムを生成させ、このフロックにフッ化物イオンを吸着、共沈させます。また、マグネシウムを使用する場合ははpH10~11にします。
【ほう素排水の化学的性質】
ほう素は黒色金属光沢をもった個体で、塩酸に不溶、硝酸、フッ化水素酸には溶ける。
オルト、メタホウ酸があり、ホルトホウ酸は無色の個体で、水、アルコールに可溶、エーテルには溶けない。
【ほう素排水の処理方法】
ほう素排水の処理には
・凝集沈殿法
・選択イオン交換樹脂
があります。
一つずつ見ていきましょう。
凝集沈殿法
凝集沈殿法においては、凝集剤として硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムの併用以外はほとんど効果がありません。
高アルカリ性で生成されるアルミン酸カルシウムにホウ素が反応して、吸着、除去されます。
(pH9以上)
選択イオン交換樹脂
ほう素の選択イオン交換樹脂にはN―メチルグルカミン形イオン交換樹脂があります。
pHが中性であってもホウ素をかなり低いレベルまで処理できる特徴があります。
【重金属汚泥の処理方法】
重金属を含んだ、重金属汚泥の処理には注意が必要です。
最終処分の方法としては
・コンクリート固化
・溶融固化
・焼結処理
などがあります。
焼結処理は1000℃程度で行いますが、重金属の揮発に注意しないといけません。
クロム含有排水の場合は酸化されてクロムⅥとなり可溶化してしまいます。
まとめ 水質有害物質特論「ふっ素・ほう素・重金属(汚泥)排水の処理の勉強」の勉強
ふっ素はカルシウム塩を使用した沈殿分離、アルミニウム・マグネシウムを使用した水酸化物沈殿法で処理します。
ほう素は凝集沈殿法と選択イオン交換樹脂で処理し、凝集沈殿法を行う場合の凝集剤としては硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムを併用して使用します。
重金属を含んだ汚泥の取り扱いには注意しましょう。特にクロムは酸化されてクロムⅥになると可溶化してしまい、再流出の危険があります。
水質関係公害防止管理者試験の水質有害物質特論は難関科目ですが、一つずつ勉強していきましょう。
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